京大公論
ギャングスターズへの噂について
アメフトの魅力を語る選手たちの言葉の端々に何度も出てきたのが、アメフトの「激しさ」である。確かに、アメフトというスポーツが与える激しい印象を引きずるようにして、ギャングスターズではあまりにも厳しい練習をして選手の体をどんどん大きくしている、というような噂が京大内を駆けめぐっている。しかし、選手たちはそのような噂を切り捨てた。
「多分、普通のひとらは普通に生活してるだけで、ちょっと飯食う量を多くしたり筋トレしたら、誰もが絶対すぐ大きくなるんですよ。みんなやってないだけで。特に京大生なんて運動してきてないやつらばっかりで、うちの部に入ってたくさん飯食ってたくさんトレーニングしたら、みるみるうちに、っていうのはあると思う」
そして、少しだけ、京大生に苦言を呈した。
「ほかの大学に行ったら、たとえば同志社とかに行ったりしたら、ラグビーでも強いわけじゃないですか。で、普通にほかのスポーツも強いわけですよ。そういうところってやっぱり、ちゃんとやってると思うんです。食事もちゃんと食べるし、トレーニングもするし。それが普通であるべきなんです、スポーツをやるっていうことが」
それでも、変な噂が広まるぐらいのほうが面白い、少しくらい神秘的な存在であってもいいと言って笑った選手の顔からは、京大で圧倒的な存在感を持っているチームの余裕を感じさせた。
食事も練習のうち
ギャングスターズでは一回生が先輩と一緒の量のご飯を食べなければいけない、ご飯を食べ終わるまで見張られる、なんていう話があるんですよと、再び噂のことを尋ねてみると、それは当たり前のような気がするんですが、との答え。
「別に、いじめるためにやってるわけじゃなくて(笑)、飯を食って体をでかくするっていうのも練習の一環ってことなんで。たとえば他の部でも、練習するときに下級生がさぼってたらしかるじゃないですか。それと同じ感覚です。それがたまたまアメフトの場合は体をでかくしなきゃいけなくて、飯をたくさん食べなきゃいけないっていうのがあるから」
そして、食事を用意してくれるスタッフへの気持ちを忘れない。
「食事を作ってくれるひとらがいてるんですけど、ほんと、スタッフのひとたちはメニューをすごく考えてくれるんですよ。選手がでかくなるように、とか。栄養管理もちゃんと」
「食事はおいしい。おいしいです。めちゃくちゃ食います」
インタビューの後に食堂を覗かせてもらうと、いろいろなおかずと大きな器にもられたご飯をうまそうに食べる選手たちの姿があった。ギャングスターズの選手たちにとっては、ご飯を食べることも練習のうちに入る。選手の食事をつくる人たちの役割は、大きい。

ギャングスターズを支える“コミュニティ”
無論、選手を支えるのは食堂の人たちだけではない。コーチ、マネージャー、トレーナー、チームドクターなど、その人数は20人以上にもなる。三学年で選手が60人、一回生が30人程度であることも考えると、団体としてはかなり巨大であると言える。そして、ギャングスターズを中心とした“コミュニティ”の大きさという意味では、さらに巨大なものになる。後援会やOB部会、ギャングスターズの公式ファンクラブ「GGC(Green Gray Club)」や父母会など計1000人以上のサポーターの存在である。
だがしかし──。「京大生」だけに絞って見てみると、そのコミュニティは意外なほど、広がっていない。
「アメリカのカレッジの試合とか見てると、みんな、自分の大学のグッズを身につけてすごく熱狂的に応援してて。まぁあっちではアメフトが国でいちばん人気あるスポーツだからっていうのもあると思うんですけど、そういうのがあれば、うれしいな、と」
「大学で応援してくれる友達とかいると、やっぱがんばろうと思うし、見知らぬひとがもっと見に来てくれるならなおさら。大学全体で盛り上げてほしい」
「友達でも見に来てくれへんからなぁ、ちょっとさびしい」
京大生ってこういうことにちょっと冷めてるところがありますよねと話を向けると、選手の一人は、自分だけが良ければいいやみたいな考え方は国にとっても良くないですよと言って、笑った。
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