京大公論
あなたは法科大学院に行きますか?
伊藤塾 塾長
伊藤 真
一、法科大学院か現行司法試験か
二、法科大学院の先にあるもの
三、司法試験で問うべきもの
四、社会の求める法曹像と法曹教育
四、〜社会の求める法曹像と法曹教育〜
このように、新しい司法試験をどうすべきかの議論は、「新しい法曹養成をどうすべきか」の議論と切り離せないもののはずです。新しい法曹養成制度を通じて、日本の社会はいったいどのような法曹を求めているのかを確定しなければならないのです。
求めるべき法曹像が確定したならば、そのような法曹が身につけておくべきものは何かを考え、それを新しい司法試験で問えばよいのです。もちろん、法科大学院での教育は、そのような理想的な法曹像と結びついたものでなくてはならないでしょう。
もし法曹は法律の専門家なのだから、できるだけ多くの法理論や知識を持つべきと考えるなら、もっぱら法理論・知識の有無を司法試験で問えばいいわけです。そうでなく、法曹は具体的な事件の中で法的問題を処理できる能力を持つべきと考えるなら、事件の概略を知りうる資料を与えて、何が問題なのかを見きわめさせて解決するような問題を司法試験で出せばよいのです。いずれの場合も、受験生はそこで必要とされる能力を身につけるべく必死に勉強するでしょう。
このように、「理想的な法曹像」とは、法科大学院での教育、法科大学院卒業後の新司法試験、さらに司法修習におけるいわば「獲得課題」といえます。それぞれのステージで、その獲得課題に向けて必要な訓練を受けられる
ようにして、また役割分担をしていくべきです。現在の議論の中では、何が「獲得課題」なのかの議論が抜け落ちているか、あるいは十分に強調されていない状況です。
おそらくはこれが未来に開けているはずの法科大学院制度に積極的な魅力や期待を感じきれない理由ではないでしょうか。今からでも間に合うでしょうから、理想的な法曹像とは何かの議論をはじめてもよいのではないかと、感じてなりません。
(※参考資料) 詳しくは下の伊藤塾ホームページへアクセスください →http://www.itojuku.co.jp/frame/shihou/lawschool/2003_guide_2/p03.html <Law School Guide ロースクールガイド VOL.2 これからの法曹養成〜司法改革と法科大学〜>
伊藤 真 プロフィール
1981年東京大学法学部在学中に司法試験に合格。
以後司法試験受験指導を開始。
大学卒業後司法研修所入所。
司法研修修了と同時に弁護士登録。
司法試験、司法書士、公務員講座のほか、
企業法務研修など務める。
1995年、司法試験指導のキャリアを活かし
「伊藤真の司法試験塾」【現「伊藤塾」】を開塾。
弁護士業務を休業し指導に専念。
その後、公務員試験・司法書士試験の受験指導を開始。
代々木ゼミナールの公開文化講座講師のほか沖縄県・
神奈川県司法書士会研修の講師、大正大学の憲法の講師、
文京女子大学生涯学習センター講師、
龍谷大学客員教授を務める。著書は多数あり、
中でも「司法試験対策講座」シリーズ(弘文堂)は、
大学法学部のテキストにも使用され、司法試験・
公務員試験・司法書士試験などの法律の資格試験対策に広く浸透している。
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