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“サイバー万里の長城”の中に言論の自由はあるか


1. . 2004/05/27(木) 01:49:30
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0405/21/news053.html

“サイバー万里の長城”の中に言論の自由はあるか (1/2)
中国政府によるインターネットの検閲はしばしば批判されているが、「メディアの報道には誇張があり、想像されているよりもずっと自由でオープンだ」と専門家は指摘する。(IDG)

 中国でインターネットが開放された当初、一部の観測筋は管理不可能な情報の波が押し寄せ、中国政府の崩壊につながるのではないかと予測した。

 しかしここ10年の出来事から、そうした予測が外れたことが分かってきた。中国政府はインターネット上の情報の流れを検閲することも、それをある程度容認することも可能だということを実証している。

 政府が一部Webサイトへのアクセス遮断やディスカッショングループの検閲を図るなど、中国ではインターネット上の検閲に関する問題が浮上し、日ごろから人権擁護団体や西側諸国の観測筋から批判を浴びている。しかし、中国におけるインターネット検閲と情報アクセスの問題は、こうした批判や西側の多くの報道が示唆するよりも、ずっと複雑で微妙なものだ。

 北京に住む匿名希望のあるインターネット利用者はIDG News Serviceに対し、「西側のメディアは誇張しているとは思うが、確かにこの問題は存在する。否定はできない」と答えた。

 インターネットコンサルティング企業ChinaLabsの主席コンサルタント、フー・ヨン氏は、西側のメディアがインターネット検閲を誇張して報じているという見方に同意している。「この種の報道は実際中国で起きていることを伝えているが、その重大性を強調し過ぎている」と述べた。

 インターネット検閲の問題に注目しすぎるあまり、インターネットによって中国での表現の自由が拡大されたことが見落とされていると同氏は指摘する。「想像されているよりもずっと自由でオープンだ」とヨン氏。

 しかし、こうした自由には限度がある。オンラインでコンテンツを掲載したり、ディスカッショングループに参加するインターネット利用者はたいてい、どんなトピックなら政府が自由な討議を認めるかを熟知しており、その結果、自主規制によって発言を和らげている。一部観測筋がこうした現象を指摘し、中国外の言論の自由擁護派はこれを非難している。

 中国政府は特定Webサイトへのアクセス遮断やドメイン名のハイジャックといった行為を公式に認めていないため、同国のインターネット検閲の範囲や影響を把握するのは難しくなっている。この空白を埋めるべく、中国におけるインターネット検閲プログラムの範囲について理解を深めるための研究が幾つか行われている。

 米ハーバード大学のBerkman Center for Internet & Societyが2002年に実施した調査によると、日を違えて中国内の異なるプロキシサーバ2台から20万以上のWebサイトにアクセスしようとしたところ、1万8931件のサイトにアクセスできなかった。遮断されたWebサイトの大半は性的な表現が含まれるものだったが、中には報道、健康情報、教育、娯楽などの情報を提供するWebサイトも含まれていた。

 国境を越える記者団(RSF)が2003年に中国のWebサイトによってフィルタリングされるコンテンツを調べた調査結果では、ディスカッションフォーラムに掲載されたメッセージの60%が、投稿から1カ月以上にわたってオンラインに残っていた。政府の批判など、検閲者が問題ありと判断するコンテンツを含むメッセージに絞ると、この数字は55%にまで下降したとRSFは報告している。RSFによると、その55%のうちの半分以上は、その後オンラインフォーラムの監視を担当するWebマスターによって削除された。 フィルタリングの程度はサイトによって幅があり、商用サイトが運営するディスカッションフォーラムは一般的に、公的なWebサイトに比べてオープン性が高いとRSFは伝えている。RSFは、中国の国営通信社である新華社通信のディスカッションフォーラムには、中国政府を批判する投稿は一切掲載されていないと指摘。これに対して中国最大のWebポータル「http://www.sina.com.cn」を運営するSINA(新浪)提供のディスカッションフォーラムでは、政府を批判する投稿の50%が掲載されているという。

2. . 2004/05/27(木) 01:49:50
 ある研究者は、中国でインターネット検閲が行われていることは経験的に証明されているが、こうした検閲はオンライン情報へのアクセスを大幅に制限するものではないとしている。

 中国におけるインターネットの研究を続けるジェームス・マジソン大学のジーン・ワン助教授は「大きな問題だとは思わない」と語る。

 中国政府は全力をもって検閲に取り組んでいるものの、同国内のインターネット利用者は、政治的に微妙な情報にも頻繁にアクセスできるとワン氏は指摘。利用者は遮断されているWebサイトに掲載されている情報を知っていることが多く、政府による検閲の意義は薄れている。

 「私が本当に興味深く思ったのは、実際のところ利用者がインターネット上にさまざまな情報源を持っていることだ。政府がこうした情報を100%コントロールする手段はない」とワン氏。

 その結果として矛盾が生じているとフー氏。インターネットに対する中国政府の姿勢は、中国インターネット利用者が入手できる情報を管理しようという欲求と、インターネットが国家の経済発展と現代化にとって重要なツールであるという認識の間で揺れているという。

 「政治家たちは実際問題として、政治活動の土台にならない限り、人民にストレスを解消する手段――それこそがインターネットがもたらすものだ――があるのは良いことだということが分かっている」と香港大学のJournalism and Media Studies Centerで技術ディレクターを務めるアンドリュー・リウ準教授は話す。

 中国のインターネット利用者がフラストレーションを発散させる場になっているオンラインフォーラムの一例として、政府系の「人民網」紙のWebサイトにあるディスカッションフォーラム「強国」が挙げられる。人民網は中国共産党の公式新聞で、同紙の論説は一般的に、中国政府の政策の権威ある声明と見なされている。5年前から運営されている強国フォーラムは、中国でどれほどオープンなインターネットディスカッションができるかを強調している。

 「このフォーラムではいろんなことを言える。現在の指導者に対する批判さえ可能だ。非常に開放的なこのフォーラムは、人民網の鼻先にある」とフー氏は主張する。

 人民網などインターネット上で認められ始めたばかりのオープン性は、これから起こることの前兆だ。行く行くはインドや西側諸国などに対する経済競争力が必要になり、中国政府は情報流通に対する規制をもっと緩やかにするだろうとリウ氏は語る。

 「中国におけるインターネットは、民主化への要求ではなく、ビジネス上の目的から自由化されるだろう。良きにつけ悪しきにつけ、ものを言うのは金だ」(リウ氏)

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