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【 ホルヘ・ルイス・ボルヘス〜バベルの図書館 】


2006/06/26(月) 04:31:11
愛好家が多いと思うのですが、どこにも彼について語り合える空間がないので、立ててみました。
好きな方はどうか気軽に書き込んでください。

a 2006/06/26(月) 22:17:51
アレフと円環の廃墟がよい。
何度読み返しても、あまりの巧さに痺れてしまう。
記憶の人フネス、バベルの図書館とかも必読か。
映画化されたものでは、エリセのエル スール(原作は南部)、ベルトリッチの暗殺のオペラ(原作は 裏切り者と英雄のテーマ)がよい。

2006/06/28(水) 06:27:35
私は今『論議』と『永遠の歴史』を図書館で借りて読んでますよ。
映画化されていたのですね。
「天恵の詩」という、ボルヘスが盲目の幸運を表出した詩が、とても美しいです。

平野啓一郎という若い作家が、彼のバベル〜をコンピューターに照らして評論をぶっていましたが、天と地の差があると思います。

円輪の廃墟は確か三日で書き上げたんですよね。

a 2006/07/02(日) 19:19:52
「天恵の歌」は図書館に勤めることが決まって、失明していく過程で書いた詩らしいですね。
遺伝的に失明することはわかっていたらしいから、ああいうふうに受け入れることができたのかな?
喪失をモチーフにしたいつもながらのテーマだけど、文章が短すぎるためか、締念が大きすぎるためか、いまいちピンとこなかった。


>円環の廃墟は確か三日で書き上げたんですよね。

ボルヘスとわたし(ちくま文庫)に掲載された自身による「円環の廃墟」の解説には、1週間と書いてあります。
この解説には、ボルヘス自身はこの作品を最良の物語と考えてはいない、みたいなことが書かれていて興味深いです。


>映画化されていたのですね。

どちらも優秀な映画作家がボルヘスの作品を十分に咀嚼して撮り上げた名作です。
興味と時間があればおすすめします。
エル スールは人環図書館あたりに置いてあったはず。

a 2006/07/02(日) 19:35:32
ちょっと調べたけど、エル スールはボルヘスが原作じゃなさそう。
勘違い。すいません。
ベルトリッチのほうは、ボルヘスが原作です。

2006/07/04(火) 21:39:48
aさま、返信有難うございます。
すいません、一週間でしたか。
私は以前、これも図書館になるのですが、『パラケルススの薔薇』という本の解説に、「一週間」とあったのを想い出しました。訂正してくださって感謝します。
私は今資金が無いのでボルヘスの本を買えない状況なのですが、図書館で借りてノートに重要な思想の部分であったりするところの箇所を書いています。

aさまは、ボルヘスの思想をどのように解釈しておられるのでしょうか。是非うかがってみたいです。

私の今の感想ですと、ボルヘスはやはり永劫回帰を文学的な主題に置いていると、(月並みになってしまうのでしょうが)思っております。永劫回帰というと、私はすぐにニイチェを想起してしまうのですが、どちらかというとボルヘスはニイチェを思想面というよりも、悲劇的な運命の美、というふうに見ている気がしています。
私がボルヘスを読み始めたのは非常に最近なのですが、きっかけはやはり「架空の本」という面白い設定を、綿密に織り成している、という巧みさに惹かれてのことでした。
『トレーン〜』を初めて読みました時は、難解で再読を余儀なくされたのですが、気が付けば神秘的な世界に引きずり込まれていたんです。
ボルヘスの最大の、読んでいて不思議なところは、「これはボルヘスが書いた文章だろうか?」と、訝ってしまうという点なんです。
ボルヘスは「記憶するのが得意です」といっておりましたが、おそらく頭の中に超巨大な図書館があって、その全ての本棚の位置と収められている本の種類を整然と把握しておられるのだと思います。
私は彼がノーベル賞を、政治的な視点から逃してしまった、という部分も、どこか好きです。
ラテン・アメリカの作家では、他にコルタサル(彼はボルヘスの弟子のような作家ではないでしょうか)の『石蹴り遊び』を読んで、強い刺激的な構成を感じたのですが、やはりボルヘスの存在が抜きん出て巨大な感じがするんです。(マルケスは残念ながら、まだ未読なんです)
なんか衒学者みたいな言い方をしてしまって申し訳ないです。

やはりボルヘスは純文学というよりも、神秘主義文学、幻想文学の類に位置するのでしょうか。
近頃、ユダの福音書についての騒動がありましたが、ボルヘスは何度も詩や短編で作品化していましたね。
彼はキリスト教徒ではなかったようですが、「神」が「書物」の中に宿っていると信じている、何といいますか、本に関する宗教の創始者であるような気がしてなりません。
まだまだ話題が尽きない方ですが、キリストの顔が地下鉄の、何気ないベンチに座っているユダヤ人の一人かもしれない、という「顔」に関する詩があって、今でも強い印象を残しています。
確か、『天国篇 第三十一歌 一○八行』という詩でした。
ボルヘスはずっと「詩人」を自負しておられましたね。
また、ちょくちょく返信してくだされば光栄です。

2006/07/04(火) 21:50:33
映画について粗筋だけでも教えてもらえないでしょうか。非京大生なんです・・・。

a 2006/07/06(木) 03:09:24
答えられそうなところだけ、返信しときますね。


>私の今の感想ですと、ボルヘスはやはり永劫回帰を、、、

伝奇集、不死の人、創造者といった代表作をたまに拾い読みする程度なので、ボルヘスの思想を体系的に把握しているわけではありませんが、、、。
ニーチェは、因果性を括弧に入れて現在を運命として受け入れることを、超人と呼んで讃えていたと思います。
盲目のボルヘスが、ニーチェの思想に共感していたということはおおいにあり得そうですね。


>ボルヘスの最大の、読んでいて不思議なところは、、、

意識して抑制された簡潔な文体と、あまりの博識のために、ボルヘス自身の輪郭は見えにくなっていますね。
テクストに無意識が反映されることに批判的だったので、長編は書けなかったのでしょう。

2006/07/11(火) 21:16:11
返信が遅れてしまい、大変申し訳ありません。

貴方は「テクストに無意識が反映されることに批判的だったので、長編は書けなかったのでしょう。」とおっしゃってくれましたが、私もボルヘスは、やはり短編の名手といいますか、長篇では怖ろしく長い(無限に続く)作品になってしまうような気がします。
伝奇集に『八岐の園』という一篇がありましたが、あそこに登場する中国人作家は、おそらくボルヘスが長篇作家になった肖像なのでしょう。
丁寧な返信に、感謝に絶えません。
また何か読んで、お暇があれば、書き込んで下さい。
私はボルヘスの著作4冊を三日前に大阪府立図書館に返却してしまいましたが、未だに頭の中にはボルヘスの顔が浮かんでいます。

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